ども〜床屋の親父です!
先日、新しく出店したものの売上に悩むオーナー仲間から相談を受けました。技術は確かなのに客足が伸びない。「何が悪いのか?」と嘆く彼に、僕は少し厳しいアドバイスを贈りました。
「上手いのに、なぜ暇だ? 下手なあの店が、なぜ流行る?」
理容師なら誰もが一度は抱く疑問です。答えはシンプル。客は「ミリ単位」を見ていません。見ているのは「あなた」の演出です。
プロがこだわる1ミリのズレに気づく一般客は、ほんの一握り。お客さんが本当にお金を払っているのは、店に入った瞬間の空気感や、自分を理解してくれる心地よさです。つまり、カットは「手段」に過ぎないのです。
「職人脳」を捨てろ。技術だけの職人は、都合のいい「作業員」で終わる
「良い技術を提供していればいつか伝わる」という職人気質は、時に経営の足を引っ張ります。ただ黙々と髪を切るだけなら、安いだけの作業員と同じ。選ばれ続ける店になるには、自分という人間や空間をプロデュースする視点が不可欠です。
実は、僕自身は自分の店の技術がめちゃくちゃ上手いと思ったことはありません。上を見ればキリがないからです。だからこそ、技術に慢心せず「どうすればこの空間を楽しんでもらえるか」という演出に命をかけてきました。
「上手い店」を目指すのを一度やめて、「またあの人に会いたい」と思われる店を目指してみる。職人の殻を破った彼の店が、これからどう変わっていくか楽しみにしています。