銀座二丁目にて、約40年にわたり地域の皆様の身体と向き合ってまいりました。本日は、水泳選手に限らず、野球、テニス、バレーボール、そしてデスクワークに従事する方々にも多く見られる「スイマーズショルダー(肩関節衝突症候群)」について解説いたします。
肩を上げた際に特定の角度で鋭い痛み走る、あるいは引っかかるような感覚がある場合、それは単なる「使いすぎ」ではなく、肩関節内部で物理的な「衝突」が起きている可能性があります。これが肩関節衝突症候群(インピンジメント症候群)の本態です。
肩関節は非常に広い可動域を持つ反面、構造的に不安定な側面があります。腕を高く上げる動作の際、上腕骨の頭と肩甲骨の屋根にあたる部分(肩峰)の間で、腱板(インナーマッスル)や滑液包が挟み込まれ、炎症を引き起こします。水泳のクロールやバタフライのリカバリー動作で顕著に出現するため「スイマーズショルダー」と呼ばれますが、実際には投球動作やサーブ、さらには重い荷物を棚に上げる動作でも同様の機序で発症します。
【五十肩(肩関節周囲炎)との違い】
銀座のオフィスワーカーの方から「五十肩だと思う」と相談を受けるケースが多々ありますが、臨床的な見極めは非常に重要です。
・五十肩:関節包自体が硬くなり、全方向に動かせない(凍結肩)。
・スイマーズショルダー:特定の角度(主に外転60°〜120°)で痛みが強く、それを超えると痛みが軽減することが多い(ペインフルアーク)。
この峻別を誤ると、不適切な処置により症状を長期化させる恐れがあります。
院長は元日本柔道整復師会学術委員を務めておりました。国家資格を持つ柔道整復師として、解剖学的な根拠に基づき、どの組織がインピンジメントを起こしているのか、肩甲骨の動きに不全はないか、臨床的な評価を徹底しております。
【処置と医療連携について】
当院では、可動域の正常化を図る処置などを行います。必要に応じてテーピングや包帯による固定、運動療法を組み合わせて実施します。万が一、腱板の完全断裂が疑われる場合や、骨棘(骨のトゲ)による重度の衝突が確認される場合は、速やかに提携している整形外科へ紹介状を作成いたします。
【応急処置】
痛みを感じた直後は、無理に動かさず「冷却(アイシング)」を行ってください。炎症を最小限に抑えることが、早期の回復に繋がります。