歩幅が変わると、見える景色も変わります
(前編)
お母さんへ。
先日、あるお母さんから、
とても印象に残る
お話を伺いました。
その日は学校の懇談があり、
お子さんと一緒に学校まで
歩いて行かれたそうです。
帰り道で、ふと、
こんなことを感じたと
話してくださいました。
「背が高くなったなあ。」
そして、
少し笑いながら、
「歩幅が大きくなっていて、
私がついていくのが精一杯でした。」
そうおっしゃいました。
ついこの前まで、
手をつないで歩いていた子が、
いつの間にか自分より
大きな歩幅で歩いている。
その姿を見ながら、
「ああ、大きくなったんだな。」
そんな思いが
込み上げてきたそうです。
子どもの成長というのは、
卒業式や入学式のような
特別な日だけに感じるもの
ではありません。
毎日の生活の中で、
何気ない瞬間に、
「大きくなったなあ。」
と感じることがあります。
背が伸びた。
歩き方が変わった。
話し方が少し大人びてきた。
親の前では
照れくさそうに笑うようになった。
そんな小さな変化の
一つひとつが、
子どもが少しずつ
大人へ近づいている
証なのだと思います。
毎日顔を合わせていると、
その変化は本当にゆっくりで、
気づきにくいものです。
だからこそ、ふとした瞬間に、
「こんなに成長していたんだ」と
胸が熱くなる日が
訪れるのかもしれません。
子どもは、毎日
少しずつ
変わっています。
毎日見ていると
気づきにくいけれど、
ある日突然、
「こんなに成長していたんだ。」
と感じる瞬間が訪れます。
そして、
この日のお母さんには、
もう一つ、
忘れられない
出来事がありました。
帰宅後、お子さんの
アルバイト代が振り込まれた
という連絡が届いたのです。
その出来事が、
お母さんの心に、もう一つの
大きな変化を運んできました。
後編では、そのとき
お母さんが感じた、
「子どもが社会へ歩き始めた瞬間」
について、
お話ししたいと思います。
初めてのお給料が教えてくれたこと
(後編)
お母さんへ。
前編では、
学校からの帰り道で、
お子さまの
歩幅の変化に気づいた
お母さんのお話をご紹介しました。
そして、その日の夜、
もう一つ
心に残る出来事がありました。
お子さんのアルバイト代が
振り込まれたという知らせです。
その話をしながら、
お母さんは、
「一気に大人へ近づいた気がしました。」
と静かに話してくださいました。
私は、その言葉が
とても印象に残っています。
初めてのお給料は、
金額の大きさではありません。
自分が働いたことが、
誰かの役に立ち、
その価値が認められたという経験です。
それは、社会との
最初のつながりなのだと思います。
学校では、
知識を学びます。
けれど、
社会では、
人との約束を守ること。
時間を守ること。
責任を持つこと。
そうした経験を積み重ねながら、
少しずつ大人になっていきます。
歩幅が変わる。
表情が変わる。
話し方が変わる。
そして、
初めてのお給料を受け取る。
その一つひとつは、
急に訪れる出来事ではなく、
毎日の積み重ねの先にある、
小さな節目です。
だからこそ、
「あんなに小さかったのに。」
と感じる日は、
子どもが急に成長した日
ではありません。
それまで
積み重ねてきた時間が、
お母さんの心に
届いた日なのだと思います。
これから先も、お子さんは
さまざまな経験を重ねながら、
大人への階段を
一歩ずつ上っていきます。
その節目ごとに、
お母さんはきっと、
今日と同じような
温かい驚きを
感じられることでしょう。
子どもたちは、
今日も少しずつ
未来へ向かって
歩いています。
そして、その歩みを
一番近くで
見守っているお母さんこそ、
その成長を
見届けることのできる、
かけがえのない存在です。
どうかこれからも、
その小さな変化を、
一つひとつ大切に
受け止めてあげてください。