Winスクール広島本校です。
今回は,前回の記事の続き,第2回です。ぜひご覧ください。
■それでもデザインを「学ぶ意味」がなくならない理由
このバナーは、本当にターゲットに届くのか?
この配色は、安心感を与えるのか、それとも違和感を生むのか?
この余白は、読みやすさにつながっているのか?
AIは、見た目として「それっぽいもの」を作ることはできます。
けれど、「どうしてこのように作ったのか?」を説明することができません。
AIによって生み出されたものは、過去の膨大なデータから導かれた「もっともらしい形」です。
しかしそれは、目の前のクライアントの背景や、届けたい想い、その場の空気までをくみ取った「意味」とは違います。
デザインは、見た目を整える作業ではありません。そして何より、「人のために作る」お仕事です。
だからこそ、意図や説明が抜け落ちていては務まりません。
そのために、デザイナーはソフトの使い方だけでなく、構成・配色・タイポグラフィ・視線誘導といった理論を理解している必要があります。
ソフトを操作できることは大切です。けれど、操作の先にある判断までできてこそ、実務で通用するのです。
AIが正解らしきものを出してくれる時代だからこそ、その中から選び、意味を与え、説明できる力が価値になります。語れること。判断できること。
だからこそ、デザインを学ぶ意味は、なくならないと考えています。
■生成AI時代のデザイナーに必要な実務力とは
より重要になる「人間にしかできないこと」が大きく3つあります。
1つめは、「考え、判断し、伝えられる力」です。
クライアントに「どうしてこのように作ったのか?」を説明する義務があります。デザインは、目的を達成するためのプロセスです。そのプロセスに理由がなければ、モノづくりとして成立しません。
感覚だけでなく、「理由」を言葉にできること。それが実務では大きな信頼につながります。
2つめは、「感情を汲み取る力」。
デザインは人の心の動きを設計する仕事です。仕事は必ず打ち合わせから始まります。
クライアントがどんなニーズを持っているのかを丁寧に汲み取る必要があります。
そして制作のフェーズでは、見る人・使う人の視点に立って考えなければなりません。
AIは目の前のターゲットの気持ちまで読み取ることはできません。「この人はいま、どんな気持ちでこのバナーを見ているんだろう?」そう想像する力こそ、人にしかできない視点です。
そして3つめは、「AIを道具として使いこなす力」です。
AIもIllustratorやPhotoshop、Figmaなどと同じく道具の一つです。いずれも、使いこなせればデザインができるわけではありません。AIは、優秀なアシスタントとして使うことができます。
たとえば、アイデア出しの壁打ちに使う・たたき台を素早く作る・時間を短縮し、その分クオリティを高める。また、私自身、AIはお守りのような存在でもあると感じています。
AIがあるから、ちょっと難しそうなものも作れそうだなという安心感が湧いてきます。 私はプログラマーではないのでスラスラとコードを書けるわけではありませんが、実務でどうしてもプログラムを書かなければならない場面がありました。
その際、「AIと一緒ならきっとできる」という安心感があり、結果、うまく乗り越えることができました。そのとき大切にしたのは「すべてをAI任せにしない」という姿勢でした。出力されたコードの中には、不要な記述や、やり取りの中で抜け落ちてしまうルールもあります。
だからこそ、基礎を理解したうえで使うこと。あくまで道具として、主体は自分であること。AIとうまく付き合う力も、これからの実務力のひとつだと考えています。
次回は「独学やAIだけでは身につきにくい理由」についてです。